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技術?開発

2008/11/25

世界初の技術を開発 燃料電池の発電出力を3倍に向上-産學連攜で新しいセパレータ技術を開発-

 山陽特殊製鋼株式會社(社長藤原 信義、本社 姫路市)は、將來のクリーンエネルギー源として期待されている燃料電池の発電出力を3倍に高める世界でも初めてのセパレータ技術を開発しました。
 今回の開発は、発電出力の向上に対して、セパレータの構造に著目。従來の溝型セパレータとは異なる全く新しい構造を適用することによって、例えば、攜帯電話やノートPCなどの攜帯機器用に開発が期待される直接メタノール形燃料電池の出力を実用化レベルにまで大幅に向上させることができます。さらに、自動車や家庭用に開発が期待される固體高分子形燃料電池への応用も可能であり、それらの実用化に大きく寄與します。なお、本開発は北海道大學の首藤登志夫準教授との共同研究によるものです(特許出願中)。

 燃料電池は、水素源と酸素源から水を生成する化學反応を利用して電力を発電しており、環(huán)境にやさしいクリーンエネルギー源として、その開発が期待されています。ただし、広範な普及にあたっては、さらなる発電出力の向上という課題があります。
 當社は燃料電池のセパレータに著目。従來の溝型とは全く異なる、球狀金屬粉末の焼結體からなる多孔體流路を用いることにより、セパレータの基本性能の改善のみで、直接メタノール形燃料電池の発電出力を約3倍に向上し、NEDOが実用化への當面の目標としている100[mW/c㎡]を大きく超える134[mW/c㎡]を達成しました。今後は、電解質(zhì)膜や觸媒等の、他の燃料電池構成部の改善技術と組み合わせることによって、さらなる発電特性の向上、実用化及び商品化を目指します。

 今回の開発は、當社の第7次中期連結経営計畫(平成20年~22年度)に掲げる重點施策である「非価格競爭力の強化を通じ、高度化する需要家ニーズに対応」に注力した成果のひとつであり、高機能な差別化商品や製造技術の開発による技術先進性の拡大推進に寄與するものです。

【今回の技術開発のポイント】

 燃料電池の発電出力向上に対する従來の取り組みは、電解質(zhì)膜、電極、觸媒等を対象とした特性改善が主ですが、今回の開発は、セパレータ部に著目。世界でも初めてのセパレータ構造を適用することで、大幅な発電出力の向上を達成したものです。

 セパレータに要求される重要な機能としては、次の3點があります。

 ?、?反応に使われる水素源や酸素源の安定供給

  ② 水等の副生成物の優(yōu)れた排出性

 ?、?優(yōu)れた導電性の確保
 

 代表的な燃料電池のひとつである直接メタノール形燃料電池において、今回開発した多孔體構造のセパレータ流路を適用した場合、従來の溝型流路の場合に比べて約3倍となる134[mW/c㎡]の発電出力密度が得られております。これは、NEDOが実用化への當面の目標としている100[mW/c㎡]を大きく超えるものであり、今後、電解質(zhì)膜、觸媒等の他の燃料電池構成部に関する改善技術との融合により、飛躍的な出力の改善が期待されます。

【參考資料】

 1.燃料電池の基本構造図

2.用語説明

 ① セパレータ

  

燃料電池を構成する重要部品のひとつ。水素源と酸素源が混じり合わないように遮斷する役割に加えて、形成される流路を用いた、水素源や酸素源の供給および水等の副生成物を排出する役割、さらに、隣り合う単位電池同士を電気的につなぐ役割などを持つ。

 ② 直接メタノール形燃料電池

 

必要な水素源として、水素の代わりにメタノールを用いる燃料電池。液體メタノールは小型カートリッジ等に入れて使用できるため、パソコン、攜帯電話等の攜帯機器用の燃料電池として一般に期待されている。

?、?固體高分子形燃料電池

 

電解質(zhì)膜に高分子を使った燃料電池。80℃程度の低溫で作動し、小型化も可能なため、自動車用、コジェネレーションシステム等に用いる家庭用の燃料電池としての開発が期待されている。

 以上

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