山陽(yáng)特殊製鋼株式會(huì)社（社長(zhǎng)藤原信義、本社姫路市）は、中期連結(jié)経営計(jì)畫(huà)（平成17～19年度）の中で、「『高信頼性鋼の山陽(yáng)』のブランド力強(qiáng)化」を重點(diǎn)施策のひとつとして掲げております。この一環(huán)として、靭性と耐食性を大幅に向上した粉末ハイス「SPMR8（エスピーエムアールエイト）」を開(kāi)発しました。

　粉末ハイスは、粉末固化成形法で製造される高速度工具鋼です。自由な合金設(shè)計(jì)や均一で緻密な金屬組織といった特長(zhǎng)が、高靭性、高強(qiáng)度、高耐摩耗性を?qū)g現(xiàn)しており、塑性加工用の金型や工具の材料として、近年、利用が進(jìn)んでおります。しかしながら、被加工材の高強(qiáng)度化や形狀の複雑化、複合素材の成形など、金型の使用環(huán)境はさらに苛酷化する傾向にあり、例えば冷間鍛造用途ではより高い靭性が、また、プラスチック成形用途ではより高い耐食性が求められておりました。當(dāng)社は、このようなニーズに応えるべく研究に取り組み、このたび、その2つの特性を大きく向上させたSPMR8を開(kāi)発したものです。

　SPMR8の靭性は當(dāng)社粉末ハイスSPM23の約3倍を?qū)g現(xiàn)しており、金型使用中の早期割れ?欠けの発生の抑制に貢獻(xiàn)します。また耐食性は、各種の酸の腐食環(huán)境において優(yōu)れた性能を発揮します。特にプラスチックの難燃剤として添加される酸に対する効果が顕著であり、腐食に起因する早期摩耗を抑えることに寄與します。しかも、これら二つの特性を伸ばしながら、高い強(qiáng)度、耐摩耗性は損なわれておりません。

　使用環(huán)境にもよりますが、この卓越した特性から、金型、工具壽命は、汎用粉末ハイスに比べておおむね2～3倍に改善します。これにより、需要家において、長(zhǎng)壽命化による金型費(fèi)用低減が期待されます。

　SPMR8がターゲットとする主な用途として、冷間鍛造金型、冷間加工用のロール、マンドレルなどが挙げられます。當(dāng)社はこれまでに、冷間マンドレルやパンチ、プラスチック成形機(jī)用部品向けを中心にSPMR8のサンプル出荷を?qū)g施しており、すでにテストを終えた需要家からは高い評(píng)価を得ております。

　當(dāng)社は、金屬粉末事業(yè)における今後の営業(yè)戦略の中で、粉末ハイス製品の販売を伸ばしていきたいと考えております。このSPMR8はその中核製品と位置付けており、これからも、金型や冷間加工用工具をはじめとする幅広い用途に向けて、販売を拡大していく所存です。

　當(dāng)社では、今後とも品質(zhì)、開(kāi)発、安定供給のあらゆる面において、的確な対応をとることにより、「高信頼性鋼の山陽(yáng)」のブランド力の強(qiáng)化を図ってまいります。

粉末ハイス「SPMR8」の位置づけ

【用語(yǔ)解説】

SPMR8を使用した工具例

以上